エンジニアとして一人前の仕事をするためには、専門分野を中心とした、地道な学習が不可欠です。特に最初は全く新しい概念にぶつかって理解が難しく、思うように学習が進まないものです。しかし幸い最近では、分かりやすく読みやすい入門書がいくつも出版されています。技術革新のスピードが速く、流行廃れの激しいIT業界にあって、最新の知識を得ることも大切ですが、基礎固めには良書を選んで、しっかりと理解することが重要です。書籍は1度通読したら終わりではありません。まずは分かっても分からなくても一通り学習してしまい、そこから一つ一つ苦手分野を克服するために、何度も繰り返し学習します。基礎知識を獲得してデータベースエンジニアになっても、現場で仕事を始めるようになれば、書籍と実務の違いを乗り越えなければなりません。しかし書籍によって得られた知識が、現場における柔軟な発想を実現するためには必要なのであり、何度も基本書に立ち返ることが大切です。
これは例えばインデックスや正規化、トランザクション、ロック、そして分散の知識など、データベースエンジニアが知っておくべき様々な知識が、わかりやすく解説されており、また実務に関連する情報も充実しています。
【ベテランが丁寧に教えてくれるデータベースの知識と実務】
基本情報技術者試験のデータベース分野対策や、データベーススペシャリスト試験など、資格試験対策として活用している人も少なくないようです。
そして「達人に学ぶSQL徹底指南書」は、データベースエンジニアにとって不可欠な知識である、SQLの正しい書き方や考え方が身に付きます。
著者は金融系SI企業に勤務するデータベースエンジニアであり、200例以上の豊富なサンプルコードと25問の練習問題を収録し、CASE式やHAVING句、行列変換など、実用的なテクニックが紹介されています。
【達人に学ぶSQL徹底指南書 初級者で終わりたくないあなたへ】
また「SQLアンチパターン」では、各テーマごとにストーリー仕立てで、とある開発例を示しながら、その中で行われる対応のうち、まずいものをピックアップして、なぜいけないのか、なぜそのような考え方になるのかなど、陥りやすいパターンを解説します。もちろんその後に、それではどのような対応を行えばよいのかという解決策を示すなど、より実践的な内容です。
取り上げられるテーマは、タイトルにもなっているSQLの他、DB論理設計、DB物理設計やアプリケーション開発など、データベースエンジニアが関わる開発の一連の工程の中から取り上げられているため、どれも身近なものとして役立ちます。
【SQLアンチパターン】
データベースエンジニアにとって、専門資格は取って損がないどころか、取らなければ仕事にならない、という場合もあるほど重要です。国家資格には、「情報処理技術者試験」がありますし、ベンダー資格の中でも知名度が高い「オラクルマスター」は、Oracle製品を扱う企業の多くで必須です。また「OSS-DB技術者認定試験」は、特定の企業や製品に特化したものではないものの、今後OSS製品を扱う企業が増えるにつれて、重要度が高まりそうです。
転職活動は、在職中から始めるのが鉄則とはいえ、現実問題として悩ましい状況を生みます。いまだ採用とは決まっていない面接の段階では、やたら権利の主張ばかりするような印象を与えるのは、得策ではありません。しかし収入についてあまりはっきりとは示されていない場合や、あるいは現職よりも下がりそうな場合に、内定後であれば、多少交渉の余地はあるかもしれません。もっとも大抵の企業は給与の査定基準を定めており、また転職当初は下がっても実績を上げれば評価も自ずと高くなるものです。
データベースエンジニアの収入は、平均的には20代の340万円から40代の600万円というのが一応の目安ですが、もちろん年齢や経験や資格の取得などに応じて推移します。その上ボーナスの支給もありますが、残業代の支払いは会社によって異なるようです。労働環境が厳しいといわれるITエンジニアの中でもデータベースエンジニアは、一月の残業時間が100時間を超えることが珍しくない上に、忙しければ月160時間に及ぶなど、相当の覚悟が必要です。