昨今話題のビッグデータブームなど、IT業界の流れを背景に、データベースエンジニアという仕事に熱い視線が集まっています。データベースエンジニアを目指す人に向けて、データベースエンジニアの仕事内容や役割、年収相場、キャリアパスなど基本的な情報から紹介します。フリーランスとして独立した場合の可能性や将来的な展望なども紹介していますので、ぜひ、ITエンジニアとしての将来設計を考える際の参考にしてください。
データベースエンジニアの仕事には、主に上流工程の分析や設計を担当するデータ管理者と、中流工程以降で実装・運用・保守を担当するデータベース管理者としての役割があります。業界特有の事情や、データベース製品の特性に応じて、いずれも得意分野を持っているのが通常です。とはいえこれまでアプリケーション単位の縦割りシステムが横行していましたが、その非効率性が明らかとなった今、データ中心に考えてシステム全体を俯瞰できる、真のデータベースエンジニアが求められています。
データベースエンジニアの収入は、実績や経験にもよりますが、20代で340万円から390万円、30代で500万円から550万円、そして40代で550万円から600万円というのが相場のようです。データベースエンジニアにとってオラクルの資格の取得が前提であり、また難易度に応じて業界における評価は高まる傾向にあります。しかし日常的な長時間労働を覚悟しなければならず、残業時間は月100時間前後から、繁忙期であれば月160時間にも及ぶと言われています。
データベースエンジニアにとって、専門性を更に極めてスペシャリストとなる他に、プロジェクトマネージャやITコンサルタントとして活躍するというキャリアパスも、夢ではありません。プロジェクトマネージャは、プロジェクト全体を統括し、プロジェクトを成功へと導かなければなりません。そのためのマネジメント能力が問われるのであり、社内では管理職に相当します。またITコンサルタントは、ITを戦略的に活用して、問題解決策を提案したり事業を企画するため、論理的思考や高いコミュニケーション能力が求められます。
データベースエンジニアになるためには、最初からデータベースエンジニアになるというのではなく、プログラマやシステムエンジニアを経験しながら、データベースの専門の言語であるSQLを習得したり、オラクルの資格を取得するのが通常のようです。そしてスペシャリストとして活躍する人の中には、フリーランスも増えています。ただし大きな責任を自分一人で負うことになり、オンとオフの切り替えが難しく、人付き合いが欠かせないなど、フリーランスという働き方は誰にでも向いているわけではありません。
データベースエンジニアにとって、専門資格は取って損がないどころか、取らなければ仕事にならない、という場合もあるほど重要です。国家資格には、「情報処理技術者試験」がありますし、ベンダー資格の中でも知名度が高い「オラクルマスター」は、Oracle製品を扱う企業の多くで必須です。また「OSS-DB技術者認定試験」は、特定の企業や製品に特化したものではないものの、今後OSS製品を扱う企業が増えるにつれて、重要度が高まりそうです。
転職活動は、在職中から始めるのが鉄則とはいえ、現実問題として悩ましい状況を生みます。いまだ採用とは決まっていない面接の段階では、やたら権利の主張ばかりするような印象を与えるのは、得策ではありません。しかし収入についてあまりはっきりとは示されていない場合や、あるいは現職よりも下がりそうな場合に、内定後であれば、多少交渉の余地はあるかもしれません。もっとも大抵の企業は給与の査定基準を定めており、また転職当初は下がっても実績を上げれば評価も自ずと高くなるものです。
データベースエンジニアの収入は、平均的には20代の340万円から40代の600万円というのが一応の目安ですが、もちろん年齢や経験や資格の取得などに応じて推移します。その上ボーナスの支給もありますが、残業代の支払いは会社によって異なるようです。労働環境が厳しいといわれるITエンジニアの中でもデータベースエンジニアは、一月の残業時間が100時間を超えることが珍しくない上に、忙しければ月160時間に及ぶなど、相当の覚悟が必要です。