社会のIT化が進む中で、エンジニアの人材不足が続いており、売り手市場となっています。これはエンジニアに転職を促すと共に、フリーランスになるという働き方の選択肢を増やすことにもなっています。実力の高い即戦力を、緊急に求める現場も増えており、その実力を高く評価されるエンジニアが、フリーランスとしての活躍の場を広げているのです。
ここでデータベースエンジニアとは、システムの基盤として重要なデータベースの設計や構築、運用、保守など、データベースを効率的に一元管理する一連の工程に関わるのであり、プロジェクトには最初から必要とされる存在です。そしてその仕事にはオラクルの資格が絶対不可欠とされていますが、そもそもデータベース専用の言語であるSQLを学んでおく必要があるなど、プログラマやシステムエンジニアとしての実務経験を経て、データベースエンジニアになるというのが一般的なようです。そしてそこから更にデータベースエンジニアのスペシャリストとして活躍する人が、やがてフリーランスとして活躍するというわけです。
ここで企業の業務のアウトソーシング化が進んでいるために、フリーランス向けの案件も増えているのは事実なのですが、それでもフリーランスには厳しい現実が待っているという点を忘れてはなりません。会社勤めであれば毎月一定の収入があって、社会保険に加入でき、そのほか福利厚生など安定した身分を得られます。
しかしフリーランスにはそのような保障はどこにもないのであり、収入は不安定です。また会社という後ろ盾がないため、良くも悪くも自分の責任であり、病気や怪我など突発的に仕事ができなくなっても、代わりはいないのです。また時間を自由に使えるというメリットはありますが、実際のところは1日24時間1年365日営業中というのも一般的であり、会社勤めのように始業時間から終業時間までという、明確な区切りをつけづらいという面があるのです。
そして仕事の獲得のためには、営業活動をしたり、人脈を広げたりという、人付き合いが大切であり、一人で引き籠っていては、現実問題として仕事に結び付かないということなのです。更にフリーランスは専門的な業務で成果を出すだけではなく、仕事の受発注時における報酬面での交渉なども、基本的に自分で行う必要があります。このようにフリーランスは、会社勤めに比べて負うべき責任が大きく、また一日中仕事をしていても苦にならなかったり、あるいは他人とうまく付き合って行けるだけの協調性があるなど、誰もがフリーランスに向いているというわけではありません。
データベースエンジニアにとって、専門資格は取って損がないどころか、取らなければ仕事にならない、という場合もあるほど重要です。国家資格には、「情報処理技術者試験」がありますし、ベンダー資格の中でも知名度が高い「オラクルマスター」は、Oracle製品を扱う企業の多くで必須です。また「OSS-DB技術者認定試験」は、特定の企業や製品に特化したものではないものの、今後OSS製品を扱う企業が増えるにつれて、重要度が高まりそうです。
転職活動は、在職中から始めるのが鉄則とはいえ、現実問題として悩ましい状況を生みます。いまだ採用とは決まっていない面接の段階では、やたら権利の主張ばかりするような印象を与えるのは、得策ではありません。しかし収入についてあまりはっきりとは示されていない場合や、あるいは現職よりも下がりそうな場合に、内定後であれば、多少交渉の余地はあるかもしれません。もっとも大抵の企業は給与の査定基準を定めており、また転職当初は下がっても実績を上げれば評価も自ずと高くなるものです。
データベースエンジニアの収入は、平均的には20代の340万円から40代の600万円というのが一応の目安ですが、もちろん年齢や経験や資格の取得などに応じて推移します。その上ボーナスの支給もありますが、残業代の支払いは会社によって異なるようです。労働環境が厳しいといわれるITエンジニアの中でもデータベースエンジニアは、一月の残業時間が100時間を超えることが珍しくない上に、忙しければ月160時間に及ぶなど、相当の覚悟が必要です。